一段落/myspace 

とてもとても忙しい日々が一段落しましたが、
他にも雑事は降り注ぎます。
そういう日々の寸暇になにをしていたかというと、

ただひたすら myspace してました。

季節ごとに写真を変えていこうと思い立ち、
画像ソフトでプロフィール写真を沢山作り、
来たメッセージを読んで返事をするのに
翻訳ソフトと首っ引きになり、
「こんどFM番組持つことになったからCD送ってー」
という某国DJにCDを郵送し、
我慢できる最低限のデザインにカスタマイズするために、
CSSと格闘してました。

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沢山の発見をし、
沢山の謎を見い出しました。

まず、「フリーミュージック(ノイズ)」と「フリージャズ」は、
全く別のジャンルだということ。
フリージャズから“黒人の身体性”を抜いたものが
フリーミュージックであり、ノイズもその類縁にある‥
確か坂本龍一さんもそれに近いことをどこかに書いてらっしゃいましたが、
なぜか“ノイズ”の人々は私の音楽に殆ど興味を示さず、
フリージャズの人々が「お前いいなー」とトモダチになってきます。
私の音楽をきちんと聴いてくれる人なんて、殆どノイズの人くらいだろう、
そう思ってばかりいましたので、これは意外でした。
他にも、私が思ってもみない人々が、私の音楽を好いてくれます。
なにげないギターポップのバンドとかが、「トップフレンド」として
私を表示してくれていたりします。
ビートもない、メロディーもない、コードもうっすらあるようなないような、
「ぷにゅ、ぷにゅ、ぷにゅ~」っていう某国のヘンなテクノの人が、
「俺たちって似たもの同士だよねー」
と送ってきたときには返答に困りました。ジョークではないようです。

反面、アンビエントの人々は、なぜか私と距離を取るようです。
最初、「競合他社くらいに思うのだろうか」と思ったのですが、
アンビエント同士での交流は盛んな様子で、
どうも私だけ「アンビエントじゃない」と思われているようです。
一応「いい曲だ」とは書いてきてくれますが、
世界中のアンビエントの皆さんは「トップフレンド」に私を表示しません。
なぜでしょう。私にはメロディがあるからでしょうか。
なんか、さびしいです。

あと、インディーズに限って言えば、人気のある人は、
ほとんど「図々しい人」です。
ほとんど無差別に「友達になってくれ」とメッセージを送り、
認可すると「お前の音楽がほんとうに好きだ、お前のページからは
バイブが伝わってくる。ところで俺はこんな音楽をやってこんな歌詞で」と、
巨大な画像とリンク付きで長文コメントを貼ってくる。
あちこち見てまわると、文章も含めて完全にコピペで、
無差別に貼りまくっています。コメントスパムみたいなものですね。
私はそういうのは削除させていただいてますが、
それを1万人に出して、3千人が許してたら、
その人は「fans:3000」と表示され、相当な人気者になります。
これがどの程度「実体」を呼び込むのか、私は判りません。
意外とそんな中から仕事が舞い込んだりするのかもしれません。

あと、「トモダチになってくれ」という要望に、
無差別に応えるのもいいとは思いますが、
やはり一部のヒップホップの人と、一部のブラックメタルの人は怖いです。
「おー。かっこいい」と思うヒップホップDJを一人フレンド認可して、
その人がキタノ映画のファンとかで、「ジャップのフレンド出来たぜ!」って
私をトップフレンド表示したりすると、
「おれは人気者になってビッグマネーをゲットするぜ、マネーをゲットして
クスリ打ちながら毎日色んなレディーとファックするぜ」
と宣言してるヘタなラッパーとかが多数「トモダチになれ」と押し寄せたりします。
考えすぎかもしれませんが、考えた末、そういう方たちはお断りしました。
ブラックメタルについては、お恥ずかしい話、
そういうジャンルの存在自体を知らなかったのですが、
基本はヘビメタで、「サタン信仰」と「ファシズム」が特徴なんだそうです。
一人フレンド認可したら、プロフィール写真に「拷問写真」「死体写真」
などを使用した人々が「ハイルっ!」って挨拶しながら押し寄せてきました。
考えすぎかもしれませんが、一応地球規模SNS、ドイツ人も中国人も
イスラエル人も見てますから、そういう方々は一律でお断りしてしまいました。
なんでもブラックメタルというジャンルの人々はとても結束が固いそうで、
「仲間」と認識してもらえるとCDの売り上げにも貢献しそうなのですが、
なんかこう、ビジネスに徹しきれない舟沢でありました。

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私は、様々な表現者~演出、音楽、写真、美術、演技、舞踏、デザイン等々~が、当たり前のように全く無償で結束しているのを目撃した最後の世代だと思います。
俳優たちが大道具を兼ね、音響が照明の手伝いをし、チラシデザインのデザイナーが小道具を用意し、チラシの折込を手伝う、そんな表現者たちに演出家が灰皿投げる、
ギャラなんてとんでもない、タダですらムシが良すぎる、
カネを自分で払いながら、罵倒されながら、結束して何かやり遂げる、
そういう芸術のあり方が【常識】だった時代を目撃した最後の世代だろうと思います。

実際、舞台芸術なんて連日ぎゅうぎゅうに満員になっても、
出演者スタッフ全員ノーギャラだって、
数十万~数百万の赤字は必ず出ますので、
どっかの企業がイメージアップのために劇場のレンタル代くらい出す、
(引き換えに自分の企業の名前を随所に載せる)
あとは行政がパンフレットの印刷代くらいの助成金を出してくれる、
そのくらい企業や行政に気に入ってもらえて初めて「タダ働き」が成立する、
そんな世界ですから、階級化が進んだ上に経済主体社会になれば、
極端な低予算とスタッフ不足にあえぐのはある意味当たり前で、
結果、なんとかして、たとえ緩やかでも結束し合えないかという、
「芸術家のSNSグループ」が林立することになります。
チラシの折込やキップの受付のボランティア嬢募集、
phpに詳しいボランティアのプログラマ募集、
音響してくれる人募集、照明オペレータ募集、
お客さん募集。
そういう100人くらいの芸術家たちのSNSが林立しつつあります。
‥myspace内でも見つけました。てゆうか誘われました。日本で。
入りましたけど‥俺に何か出来ることなんかあるのかなぁ‥

心機能の感情 

9/10、すまこ・こせき氏主宰「カムパニーSUMAKO」公演
「ジョウドウテキフクゴウタイ」
を拝見。シアターカイ。

非常に面白く拝見したのだが、
チラシに書かれていた言葉がどうもひっかかり、
公演の流れとすまこさんが書かれていた文章との兼ね合いについて、
すまこさんに伺う機会を得た。(めずらしく打ち上げにオヨバレ。)

踊りについて理屈でどうこう言うことをあらかじめ謝しつつ、
「今回のチラシの文章と、タイトルと、公演の内容から、
この舞台はこれこれこういうことなのではないかと思ったのですが」
と訊いたら、その考えは非常に面白いと喜んでくださった。
“正解はない”と仰っていたものの、気になる言葉を口にしてらした。

「グレートマザーって、とても哀しい存在だと思うの。
私はグレートマザーの哀しみを想って、踊り作ったの。
そうね、それはおっきかったわ、今回。」


隠された心機能が、さらにその裏に感情を隠し持っている、ということか。

その話の途中で、横にいた女性(知人)が、
自分が作った能面の画像をすまこさんに見せた。
そのうちカタい話の雰囲気でもなくなり、深追いも失礼と思ったので、
その時に脳裏に浮かんだ、
「グレーとマザーと般若の関係、グレートマザーと鬼子母神の関係」
については伺うことなく帰路に着いた。

‥‥‥
‥‥ふむ。アタマで考え込んでも埒があかないか。
…シンセ弾こう。

疲れが出たのか 


一日中 横たわっていた