「For Butoh Vol,1」物理CD納品のお知らせ
アルバム「For Butoh Vol,1」を、
ストライプハウスギャラリーに納品いたしました。
このアルバムを物理販売しているのは、現状では、
ストライプハウスギャラリーのみとなっております。
(同作のデータ販売はiTunesなどにて引き続き行なっております)
ストライプハウスギャラリーに納品いたしました。
このアルバムを物理販売しているのは、現状では、
ストライプハウスギャラリーのみとなっております。
(同作のデータ販売はiTunesなどにて引き続き行なっております)
- [2011/10/26 22:12]
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前回のライブの機材の話の断片
そもそも、機材寄りの話をすべきかどうか、
電気・電子機器を扱う音楽家は非常に悩みます。
アコースティックギターを弾き語る人は、
ギターが何十年同じであっても、
ギターが同じであることを、残念がられることは殆どありません。
ですが、電子音楽・電気音楽の場合、
同じものを使っていると、
「同じじゃないか」「またあの機材か」
と、落胆する人が現れる場合があります。
電子楽器・電気楽器を使い始めると、
どんな楽器・機材を使い、それをどう配線するか、
それが非常に重大な決断になってきますし、
アコースティック楽器のように、使い方がほぼ決定しているわけでもありません。
すべての電子楽器を自分に合っているかどうか試すことは実質できませんし、
そうなると他の楽器よりも“情報”がずっと重要な価値をもつようになります。
ですから、どうしても周囲とは、機材の話題ばかりになりがちなのです。
舟沢自身、他人のライブを拝見しても、
あのエフェクターはなんだろう、あのスピーカーはなんだろう、
あれとあれはどう配線してるんだろう、
あの楽器を支えている支柱はなんだろう、
そんなことを、しばしば考えます。
これは技術的側面の切実さから来る、
いわば職業病のようなものです。
そして、以下のような葛藤を抱えています。
・機材について話せば話すほど、機材に興味のある人にも自分の音楽に興味を持っていただくことができる。
・機材について公開することは、公益性が高い。(これはことのほか大きいことです)
・機材について公開すると、自分のノウハウも流出してしまう。
・機材について話しすぎると、機材に興味がない人は疎外感を感じてしまう。
そういうわけで、あまり機材のことは語りすぎないように、
もしも語るなら、機材にあまり興味がない方が読んでもある程度面白く読めるようにと考えているのですが、
なかなかに、難しいです。
前置きが長くなりました。
------------------------
まず、「機材の話ではないのです」という話から。
舟沢は、この「元型ドローン」というシリーズのライブの最中に、
皆様に対して伝えるのが適切だと判断したり、
或いは内的必然性を感じたりして、
何らかのしぐさを行なう場合がございます。
そのしぐさは、殆どの場合、ご来場頂いた皆様か、
あるいは“空間自体”に対して為されているものです。
「皆様がここに存在していること、それ自体が作用して、
いま空間がこのようになっており、
自分はそれにこのように感応して、
回路をこのように発振させている。
それに対して、会場に架かっている絵画がこのように変容をはじめており、
そのようなもろもろが生じているこの空間に居合わせる我々は、
いま、この方角に意識を向けるべきだと思うのです」
という方角を指差したりとか、
今こうしてたどたどしく文章化したような事柄に近いような、
一連の、しぐさです。
もちろん、皆様が“理解しなければならない”ものではないのですが、
舟沢のライブ中のしぐさは、
機材的な必要から行なわれていることは、
ほとんどないとお考えいただいて、構いません。
テルミンやD-beamのように、
人間のしぐさに感応する機材を、舟沢、使用しませんでした。
舟沢のしぐさと楽器・機材との関係に関心をもたれた方がおられましたが、
概ね以上のようなことであったと、ご承知置きくださいませ。
------------------------
元々、新しい機材よりは、使い込んだ機材でライブをしたいと常々考えている舟沢ですが、
前回のライブで、“駆け込み”で使用した、有意義なマシンをご紹介いたします。
まずは、monotron++、舟沢モデル。
舟沢はKORGのmonotronという安価な小型アナログシンセの音が好きなのですが、
ドローン(持続音)を出すのには向きません。
何とかライブに使えないかと、
リボンコントローラーを洗濯ばさみではさんでみたりしたのですが、
うまく安定しません。
「音が鳴りっぱなしにできれば何とかなるんだから、
リボンコントローラーをショートさせればいいんではないか」
と考え、分解してそれらしき場所をハンダでショートさせてみて、
1台、壊してしまったりもしていました。
monotronをMIDI化して、EGやパルスなどいくつかの機能を追加した、
改造版monotron「monotron++」を独自に販売なさっている、
武田元彦という方から、以前monotron++を購入してはいたのですが、
今回のために、急遽、さらにドローン発生専用マシンとして、
武田さまに、そのmonotron++をさらにカスタマイズしていただくことが出来ました。

Drone/onというスイッチが改造してくださった箇所で、
通常のmonotron++はこのスイッチがLFO/EGの切り替えスイッチになっています。
このDroneスイッチをonにすることで、音が鳴りっぱなしになります。
なんと元型ドローンライブに相応しい色にまでデザインし直して下さり、
全く急な話にもかかわらず、お忙しい中、夜なべして改造して下さいました。
この場を借りて、心より感謝申し上げます。
------------------------
それにしても、
何年やっても、「こんなことも知らないのか」ということは、減りません。
何年やっても、「こんなこともできないのか」ということは、減りません。
それでも、出来うることを探し、
やりうることは、やっていきます。
物事は、案外、そういうものかもしれません。
電気・電子機器を扱う音楽家は非常に悩みます。
アコースティックギターを弾き語る人は、
ギターが何十年同じであっても、
ギターが同じであることを、残念がられることは殆どありません。
ですが、電子音楽・電気音楽の場合、
同じものを使っていると、
「同じじゃないか」「またあの機材か」
と、落胆する人が現れる場合があります。
電子楽器・電気楽器を使い始めると、
どんな楽器・機材を使い、それをどう配線するか、
それが非常に重大な決断になってきますし、
アコースティック楽器のように、使い方がほぼ決定しているわけでもありません。
すべての電子楽器を自分に合っているかどうか試すことは実質できませんし、
そうなると他の楽器よりも“情報”がずっと重要な価値をもつようになります。
ですから、どうしても周囲とは、機材の話題ばかりになりがちなのです。
舟沢自身、他人のライブを拝見しても、
あのエフェクターはなんだろう、あのスピーカーはなんだろう、
あれとあれはどう配線してるんだろう、
あの楽器を支えている支柱はなんだろう、
そんなことを、しばしば考えます。
これは技術的側面の切実さから来る、
いわば職業病のようなものです。
そして、以下のような葛藤を抱えています。
・機材について話せば話すほど、機材に興味のある人にも自分の音楽に興味を持っていただくことができる。
・機材について公開することは、公益性が高い。(これはことのほか大きいことです)
・機材について公開すると、自分のノウハウも流出してしまう。
・機材について話しすぎると、機材に興味がない人は疎外感を感じてしまう。
そういうわけで、あまり機材のことは語りすぎないように、
もしも語るなら、機材にあまり興味がない方が読んでもある程度面白く読めるようにと考えているのですが、
なかなかに、難しいです。
前置きが長くなりました。
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まず、「機材の話ではないのです」という話から。
舟沢は、この「元型ドローン」というシリーズのライブの最中に、
皆様に対して伝えるのが適切だと判断したり、
或いは内的必然性を感じたりして、
何らかのしぐさを行なう場合がございます。
そのしぐさは、殆どの場合、ご来場頂いた皆様か、
あるいは“空間自体”に対して為されているものです。
「皆様がここに存在していること、それ自体が作用して、
いま空間がこのようになっており、
自分はそれにこのように感応して、
回路をこのように発振させている。
それに対して、会場に架かっている絵画がこのように変容をはじめており、
そのようなもろもろが生じているこの空間に居合わせる我々は、
いま、この方角に意識を向けるべきだと思うのです」
という方角を指差したりとか、
今こうしてたどたどしく文章化したような事柄に近いような、
一連の、しぐさです。
もちろん、皆様が“理解しなければならない”ものではないのですが、
舟沢のライブ中のしぐさは、
機材的な必要から行なわれていることは、
ほとんどないとお考えいただいて、構いません。
テルミンやD-beamのように、
人間のしぐさに感応する機材を、舟沢、使用しませんでした。
舟沢のしぐさと楽器・機材との関係に関心をもたれた方がおられましたが、
概ね以上のようなことであったと、ご承知置きくださいませ。
------------------------
元々、新しい機材よりは、使い込んだ機材でライブをしたいと常々考えている舟沢ですが、
前回のライブで、“駆け込み”で使用した、有意義なマシンをご紹介いたします。
まずは、monotron++、舟沢モデル。
舟沢はKORGのmonotronという安価な小型アナログシンセの音が好きなのですが、
ドローン(持続音)を出すのには向きません。
何とかライブに使えないかと、
リボンコントローラーを洗濯ばさみではさんでみたりしたのですが、
うまく安定しません。
「音が鳴りっぱなしにできれば何とかなるんだから、
リボンコントローラーをショートさせればいいんではないか」
と考え、分解してそれらしき場所をハンダでショートさせてみて、
1台、壊してしまったりもしていました。
monotronをMIDI化して、EGやパルスなどいくつかの機能を追加した、
改造版monotron「monotron++」を独自に販売なさっている、
武田元彦という方から、以前monotron++を購入してはいたのですが、
今回のために、急遽、さらにドローン発生専用マシンとして、
武田さまに、そのmonotron++をさらにカスタマイズしていただくことが出来ました。

Drone/onというスイッチが改造してくださった箇所で、
通常のmonotron++はこのスイッチがLFO/EGの切り替えスイッチになっています。
このDroneスイッチをonにすることで、音が鳴りっぱなしになります。
なんと元型ドローンライブに相応しい色にまでデザインし直して下さり、
全く急な話にもかかわらず、お忙しい中、夜なべして改造して下さいました。
この場を借りて、心より感謝申し上げます。
------------------------
それにしても、
何年やっても、「こんなことも知らないのか」ということは、減りません。
何年やっても、「こんなこともできないのか」ということは、減りません。
それでも、出来うることを探し、
やりうることは、やっていきます。
物事は、案外、そういうものかもしれません。
- [2011/10/23 23:34]
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終了:「元型ドローンVol,2」
- [2011/10/16 23:59]
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開かれた閉鎖
開かれた閉鎖空間は、どうしたら可能になるだろう。
空間を開けば、そこでうまく振舞えない人々も入り込む余地が現れる。
うまく振舞えない人々が現れるために、空間は、閉鎖される。
しかし人は、閉鎖空間で、徐々に、硬化する。
充分に多様な均質性は、どうすれば出現するだろう。
多様性はある臨界点を超えると均質性に変化し、
均質性は画一性に変容する。
そして画一性から逃れるために、多様性が求められる。
誰でも入れる至聖室。
人はそこで、その場所が至聖室であることに気付けるだろうか。
そして、そこに入るすべての人が、至聖室の一員として振る舞える状態は、
どうすれば出現しうるのだろうか。
こういった問題は世界中どこにでも存在するが、
来たる10/16のライブも、そういった問題に対する試みの一環である。
今までもそうではあったが、
今回は準備プロセスにおいてすら、
かなりの多様性をどうにかシンプルに収めながら、
自由を保ちつつも、実直に“元型”としての音を出現させようと、
自らの内面はもちろん、他者とのコミュニケーションから配線計画にいたるまで、
矛盾を統合しようと悪戦苦闘の日々である。
わが禅師に伺ってみたところ、
「拡げれば浅くなる。狭めれば深まる。
しかし裾野が広ければ高いということもある。
そういうのは呼吸のようなもので、
そもそもそれでいいのではないか」、
と仰せであった。
多様かつ一様に、
なるべく社交的にがんばりながら、
がんばってなるべく引きこもりつつ、
機材を買い足しつつ、機材を減らしつつ、
舟沢、鋭意、準備・研鑽中でございます。
空間を開けば、そこでうまく振舞えない人々も入り込む余地が現れる。
うまく振舞えない人々が現れるために、空間は、閉鎖される。
しかし人は、閉鎖空間で、徐々に、硬化する。
充分に多様な均質性は、どうすれば出現するだろう。
多様性はある臨界点を超えると均質性に変化し、
均質性は画一性に変容する。
そして画一性から逃れるために、多様性が求められる。
誰でも入れる至聖室。
人はそこで、その場所が至聖室であることに気付けるだろうか。
そして、そこに入るすべての人が、至聖室の一員として振る舞える状態は、
どうすれば出現しうるのだろうか。
こういった問題は世界中どこにでも存在するが、
来たる10/16のライブも、そういった問題に対する試みの一環である。
今までもそうではあったが、
今回は準備プロセスにおいてすら、
かなりの多様性をどうにかシンプルに収めながら、
自由を保ちつつも、実直に“元型”としての音を出現させようと、
自らの内面はもちろん、他者とのコミュニケーションから配線計画にいたるまで、
矛盾を統合しようと悪戦苦闘の日々である。
わが禅師に伺ってみたところ、
「拡げれば浅くなる。狭めれば深まる。
しかし裾野が広ければ高いということもある。
そういうのは呼吸のようなもので、
そもそもそれでいいのではないか」、
と仰せであった。
多様かつ一様に、
なるべく社交的にがんばりながら、
がんばってなるべく引きこもりつつ、
機材を買い足しつつ、機材を減らしつつ、
舟沢、鋭意、準備・研鑽中でございます。
- [2011/10/09 02:18]
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