「元型ドローンVol.20」ダイジェスト
- [2020/11/29 22:33]
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写真詩を作らなかった話
近所でビルの解体をやっている。
その一角だけががれきの山となり、
ビルの壁面だけが残って、
その壁の向こうから日が差している。
美しい。
周囲を見回す。
作業をしている人はいない。
通行人もいない。
スマホを出して、写真を撮る。
がれきを見つめ、日差しを見つめ、
写真を撮り続ける。
ビルの前にライトバンがあるが、
中に人がいるかどうか、ガラスの反射で見えない。
この車がなければもうちょっといい角度から撮れるんだがな、
などとと思いながら、
ライトバンが写らないように工夫しつつ、
がれきを撮る。
写真4枚、トータルで1分ぐらいの出来事だろうか。
ガラスの反射で見えなかったライトバンから、
ただならぬ風体の、初老の男性が出てきた。
「ぁんぁんぉかぉ」と言いながら、
のしのしと、こちらに近づいてくる。
この「ぁんぁんぉかぉ」が、
「何かあんのかよ」、つまり、
「何か用件があるのですか」という意味なのか、
「何か文句あんのかよ」、つまり、
「お前は俺を挑発しているのか」、という意味なのか、
その、まっすぐにこちらを見つめていながら、
それでいて何も見ていないかのような表情からは、
読み取ることはできない。
その男性はみるみるこちらに近づいて、
もう私に手が届くところまで近づいてきた。
私は咄嗟に、以下のように応じたと思う。
「失礼しました。お写真撮らせていただきました。
大丈夫です。あの、風景がきれいだったので、
お写真を撮らせていただいていました。
失礼しました。ありがとうございました。」
男性は「ぁ、ぁ?」と声を出しておられた。
私はお辞儀をしてそこを立ち去ったが、
追いかけてはこなかった。
こちらの、マスク越しの笑顔は、伝わったろうか。
------------------------
一応、咄嗟に、
このような礼儀正しい言動はできるようになった。
大人になったな俺、とは思う。
ただ、突発的な緊張のせいか、
一晩寝ても体のしびれは、まだ取れずにいる。
------------------------
さて、問題はここから。
私はここで撮った写真を、公開してもいいものかどうか。
写っているのは、がれきと重機と、陽の光。
肖像権の問題はない。
ただ、あの男性が私を「無礼な外敵」と見做したのであれば、
この写真をブログにアップするのは失礼なような気もする。
「お写真撮らせていただいております」と言った時も、
納得したような、してないような様子だった。
もう1回同じ場所に行って、
「これインターネットにアップしても構わないですよね」
などと訊いてみるのも手かもしれないが、
インターネットというものを理解しておられるかどうかも、
ちょっとあやしいと思ってしまうような見た目の方であった。
わざわざトラブルを起こしに行くようなリスクを感じなくもない。
単なる風景写真なんだから、難しく考えずに、
黙って公開しちゃえばいいのではないか。
最近、写真に写り込む僅かな情報から、
撮影された場所を特定し、
犯罪に利用するケースがある、
とネットで話題になっている。
自分が撮った写真を見つめる。
がれき。日差し。重機。あとは少しの電線。
これで場所が特定できる人がいるか?
万が一いたとして、私に危害を及ぼすか?
無理なように思う。
どうしたものか、とスマホをピンチアウトしていて、
はたと気づいた。
重機に社名が書いてある。
これをアップロードしたら、
あの男性や、解体業者に迷惑がかかりはしないだろうか。
考えすぎかなぁ。
フォトショップで社名のところだけ消すか。
写真にあんまり極端な細工を施してもなぁ。
考えすぎかなぁ。
------------------------
と、ここまで書いたあと、食料の買い出しがてら、
結局、同じ解体現場まで足を運んでみた。
昨日の男性はおらず、
4~5人の作業服の人々が、
忙しそうに働いておられた。
おそらく昨日は、作業をしていなかったか、
たまたま昼食に出ていたか何かで、
あの男性は「留守番専用の人」だったのだろう。
してみると、作業服も着ておられなかったあの男性の、
「ぁんぁんぉかぉ」という言葉に、
私がかなりの威圧と敵意を感じ取ったのは、
勘違いではなかったのだろう。
(この丹田の奥に穴が空いたような全身のしびれは、相手の敵意によってもたらされたものなのだろう)
きょう作業しておられた人々は、
一番近い人でも鉄柵から数メートル遠く、
非常に忙しそうに背を向けておられたので、
作業の轟音のなか声をかけるのは、
難しい上に迷惑でもあると判断し、
そのままその場を立ち去った。
------------------------
何にも言わず、事情も書かずに、
写真をアップロードしても、
おそらく、誰からも苦情は来ないだろう。
この体のしびれについて口にせず、
詩を書き加えて、
「写真詩」として公開しても、
誰も、いつもと何かが違う、とは思わないかもしれない。
(詩は撮影中に閃いてはいたが、自宅に戻って書き起こしてみると、すでに自分の内面とは乖離したものになっていたのだ)
結局、日常のこうした出来事と、思考の断片を、
こうして書き付けておいた方が、
ブログっぽいよな、と思った次第。
そういうわけで、問題の写真は、
このブログに、アップしません。
ご了承ください。
ブログってもう古いのかなぁ。
古いんだろうなぁ。
------------------------
最近、ツイッターに「フリート」という機能が加わって、
消え去っても構わないものはそこに流せばいい、
ということのようだ。
非公式のツイッターに件の写真を流そうかなぁ。
そんなことをしても、ブログと非公式ツイッターを両方見てる人なんかほとんどいないだろうしなぁ。
フリート機能を「うざい」と一蹴するツイートだって見かけるしなぁ。
考えすぎかなぁ。
その一角だけががれきの山となり、
ビルの壁面だけが残って、
その壁の向こうから日が差している。
美しい。
周囲を見回す。
作業をしている人はいない。
通行人もいない。
スマホを出して、写真を撮る。
がれきを見つめ、日差しを見つめ、
写真を撮り続ける。
ビルの前にライトバンがあるが、
中に人がいるかどうか、ガラスの反射で見えない。
この車がなければもうちょっといい角度から撮れるんだがな、
などとと思いながら、
ライトバンが写らないように工夫しつつ、
がれきを撮る。
写真4枚、トータルで1分ぐらいの出来事だろうか。
ガラスの反射で見えなかったライトバンから、
ただならぬ風体の、初老の男性が出てきた。
「ぁんぁんぉかぉ」と言いながら、
のしのしと、こちらに近づいてくる。
この「ぁんぁんぉかぉ」が、
「何かあんのかよ」、つまり、
「何か用件があるのですか」という意味なのか、
「何か文句あんのかよ」、つまり、
「お前は俺を挑発しているのか」、という意味なのか、
その、まっすぐにこちらを見つめていながら、
それでいて何も見ていないかのような表情からは、
読み取ることはできない。
その男性はみるみるこちらに近づいて、
もう私に手が届くところまで近づいてきた。
私は咄嗟に、以下のように応じたと思う。
「失礼しました。お写真撮らせていただきました。
大丈夫です。あの、風景がきれいだったので、
お写真を撮らせていただいていました。
失礼しました。ありがとうございました。」
男性は「ぁ、ぁ?」と声を出しておられた。
私はお辞儀をしてそこを立ち去ったが、
追いかけてはこなかった。
こちらの、マスク越しの笑顔は、伝わったろうか。
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一応、咄嗟に、
このような礼儀正しい言動はできるようになった。
大人になったな俺、とは思う。
ただ、突発的な緊張のせいか、
一晩寝ても体のしびれは、まだ取れずにいる。
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さて、問題はここから。
私はここで撮った写真を、公開してもいいものかどうか。
写っているのは、がれきと重機と、陽の光。
肖像権の問題はない。
ただ、あの男性が私を「無礼な外敵」と見做したのであれば、
この写真をブログにアップするのは失礼なような気もする。
「お写真撮らせていただいております」と言った時も、
納得したような、してないような様子だった。
もう1回同じ場所に行って、
「これインターネットにアップしても構わないですよね」
などと訊いてみるのも手かもしれないが、
インターネットというものを理解しておられるかどうかも、
ちょっとあやしいと思ってしまうような見た目の方であった。
わざわざトラブルを起こしに行くようなリスクを感じなくもない。
単なる風景写真なんだから、難しく考えずに、
黙って公開しちゃえばいいのではないか。
最近、写真に写り込む僅かな情報から、
撮影された場所を特定し、
犯罪に利用するケースがある、
とネットで話題になっている。
自分が撮った写真を見つめる。
がれき。日差し。重機。あとは少しの電線。
これで場所が特定できる人がいるか?
万が一いたとして、私に危害を及ぼすか?
無理なように思う。
どうしたものか、とスマホをピンチアウトしていて、
はたと気づいた。
重機に社名が書いてある。
これをアップロードしたら、
あの男性や、解体業者に迷惑がかかりはしないだろうか。
考えすぎかなぁ。
フォトショップで社名のところだけ消すか。
写真にあんまり極端な細工を施してもなぁ。
考えすぎかなぁ。
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と、ここまで書いたあと、食料の買い出しがてら、
結局、同じ解体現場まで足を運んでみた。
昨日の男性はおらず、
4~5人の作業服の人々が、
忙しそうに働いておられた。
おそらく昨日は、作業をしていなかったか、
たまたま昼食に出ていたか何かで、
あの男性は「留守番専用の人」だったのだろう。
してみると、作業服も着ておられなかったあの男性の、
「ぁんぁんぉかぉ」という言葉に、
私がかなりの威圧と敵意を感じ取ったのは、
勘違いではなかったのだろう。
(この丹田の奥に穴が空いたような全身のしびれは、相手の敵意によってもたらされたものなのだろう)
きょう作業しておられた人々は、
一番近い人でも鉄柵から数メートル遠く、
非常に忙しそうに背を向けておられたので、
作業の轟音のなか声をかけるのは、
難しい上に迷惑でもあると判断し、
そのままその場を立ち去った。
------------------------
何にも言わず、事情も書かずに、
写真をアップロードしても、
おそらく、誰からも苦情は来ないだろう。
この体のしびれについて口にせず、
詩を書き加えて、
「写真詩」として公開しても、
誰も、いつもと何かが違う、とは思わないかもしれない。
(詩は撮影中に閃いてはいたが、自宅に戻って書き起こしてみると、すでに自分の内面とは乖離したものになっていたのだ)
結局、日常のこうした出来事と、思考の断片を、
こうして書き付けておいた方が、
ブログっぽいよな、と思った次第。
そういうわけで、問題の写真は、
このブログに、アップしません。
ご了承ください。
ブログってもう古いのかなぁ。
古いんだろうなぁ。
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最近、ツイッターに「フリート」という機能が加わって、
消え去っても構わないものはそこに流せばいい、
ということのようだ。
非公式のツイッターに件の写真を流そうかなぁ。
そんなことをしても、ブログと非公式ツイッターを両方見てる人なんかほとんどいないだろうしなぁ。
フリート機能を「うざい」と一蹴するツイートだって見かけるしなぁ。
考えすぎかなぁ。
- [2020/11/28 15:32]
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今が一番いい時なのかもしれない

最盛期を過ぎ 胞子を出して
今が一番 いい時なのかもしれない
- [2020/11/21 18:51]
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終了:「元型ドローンVol.20」
電子持続音ライブ「元型ドローンVol.20」は、
無事終了いたしました。
このような状況下でご予約いただき、
消毒にご協力いただいたご来場の皆様、
誠にありがとうございました。

いつもと違う空間使いをすることができたこともあって、
皆様と親密な空間を形成することができたと思っております。
おかげさまで、
思い通りの音を出すことも、
思いがけない音を出すことも、
皆様の気配を受け取って音を出すことも、
矛盾せず、同時に行うことができました。
ライブ配信を行うかどうか、
そこそこ考えもしたのですが、
ご来場の方から、
「これは配信では体験できない」
というお言葉を頂き、
ああ、無配信は正解であった、
と思った次第です。
(編集したものを今後Youtubeにアップする予定はございます。また、今までに録音物として発表した作品群はすべて、録音芸術として聴くことができるように念入りに調整を施したものです。)
コロナウィルスのため、まさかこのような20回目、
このような10周年を迎えるとは思っておりませんでしたが、
ここまで来れたのも、足を運んでくださる皆様、
ご尽力いただけるスタッフの皆様あってのことです。
皆様と共に、10周年、20回を迎えることができました。
重ね重ね、ありがとうございました。

無事終了いたしました。
このような状況下でご予約いただき、
消毒にご協力いただいたご来場の皆様、
誠にありがとうございました。

いつもと違う空間使いをすることができたこともあって、
皆様と親密な空間を形成することができたと思っております。
おかげさまで、
思い通りの音を出すことも、
思いがけない音を出すことも、
皆様の気配を受け取って音を出すことも、
矛盾せず、同時に行うことができました。
ライブ配信を行うかどうか、
そこそこ考えもしたのですが、
ご来場の方から、
「これは配信では体験できない」
というお言葉を頂き、
ああ、無配信は正解であった、
と思った次第です。
(編集したものを今後Youtubeにアップする予定はございます。また、今までに録音物として発表した作品群はすべて、録音芸術として聴くことができるように念入りに調整を施したものです。)
コロナウィルスのため、まさかこのような20回目、
このような10周年を迎えるとは思っておりませんでしたが、
ここまで来れたのも、足を運んでくださる皆様、
ご尽力いただけるスタッフの皆様あってのことです。
皆様と共に、10周年、20回を迎えることができました。
重ね重ね、ありがとうございました。

- [2020/11/15 23:51]
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次回ライブは定員に達しました
11/15の次回ライブ
「元型ドローンVol.20」は、
ご予約にて定員に達しました。
“密”を避けるため、当日券はございませんので、
何卒ご了承くださいませ。

↑画像はFacebookでの告知用にレイアウトしていただいたものです。
今週末にFacebookに告知を流そうと思っていたのですが、
ご予約が定員に達しましたので、画像の使い道がなくなってしまいました。
もったいないのでここに貼っておきます。
「元型ドローンVol.20」は、
ご予約にて定員に達しました。
“密”を避けるため、当日券はございませんので、
何卒ご了承くださいませ。

↑画像はFacebookでの告知用にレイアウトしていただいたものです。
今週末にFacebookに告知を流そうと思っていたのですが、
ご予約が定員に達しましたので、画像の使い道がなくなってしまいました。
もったいないのでここに貼っておきます。
- [2020/11/05 09:17]
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