古い家電のほうが 

古い家電のほうが、
ほんとに良くなりはじめているらしい。
レトロとか、アンティークとか、そういう話ではない。
性能が、だ。

先日、扇風機を買いに行った。
用途としては、いわゆるサーキュレーション(エアコンの風を各部屋に循環させる)が主になるのだが、風量はウチの場合微弱でいいと判断したし、サーキュレーション用のものも、小さいクリップ型のものも風音がうるさいのは分かっていたので、普通の扇風機を買うことに決めていた。

普通の、静かな、扇風機。

まず、電器店に置いてあった大手メーカーの全機種。
「弱、中、強」など、あらゆるボタンを押すときに、

ピッ!

と音を発する。
うるさい。

そして、今の扇風機の状態~風量や、イオンや、首振りなど~を、

LEDで表示する。
眼にうるさい。

結局、聞いたこともないメーカーの、
¥2980の投げ売り扇風機を買ってきた。
回すと分かるのだが、プロペラが正確な円ではない。
伝統的な独楽のようにユラユラして見える。
その一番の安物が、一番性能がいい。
それでも、最弱の時でも風量が多すぎるし、風音もうるさい。
我慢して使っている。

我が家に元からある扇風機。
私が子供のころに父が買ったものだろうから、
30年以上前の製品か。
こっちの方が静かで性能が良い。
今だに壊れもしない。

私が一人暮らしを始めたときに買った炊飯器。
スイッチ1個。炊けたらガタン、とスイッチが上がるやつ。
20年以上壊れない。
今、こういうものは手に入らないようだ。
「玄米モード」とか「おかゆモード」とか機能がごっそりついて、
その部品からどんどん壊れて動かなくなっていくそうだ。
しかも主婦の皆さんの話などを漏れ聞くと、
釜の中心部と周辺部で炊き上がりが違ったり、
そもそも製品としてなってないものも多いのだそうだ。

そういえば固定電話も、買い換えるたびに音質が落ちていく。
寝る前に枕元に置いとくためのCDプレーヤーなど、今のが壊れたらどうしたものか。
眼を閉じたまま手探りで操作できる
どこも光らない
そんなものが今売っているのか。

電子楽器がダメになっていく、と嘆いていたが、
電気製品全体がダメになっているのだ。

多分、長引いたデフレ経済も影響しているのだろうが、
機能を増やして基本性能をだめにして壊れやすくして、
どのぐらい経済効果があるのだろう。

よくわからないが、どうやら、
古い電気製品は大事にしたほうがよさそうだ。

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