戌鈴ソファソ 

厄除けのお払いに行ったら、
お札や御守以外に、犬の置物をくれた。



素焼きに着色したような風情。
紅いほうに寿、白いほうに福と書いてある。
普通の戌年の置物かと思いきや、



鈴である。

非常に珍しいもののように思ったのだが、
ネットで調べてみると、こういう土を焼いた鈴は「土鈴」と呼ばれ、
結構民芸品として一般的であること、
特に犬の土鈴を「戌鈴」と呼んで、
お守り~特に安産のお守りとすることがあるらしいことを知る。

そもそも楽器じゃないこと、
焼き物という材質や厚みも関係しているのだろうが、
鳴らしてみると、大きさのわりに音程が高い。

紅いほうは「キリキリキリキリ‥」と、
音程が取れないほど高い音で鳴る。

一回り大きい白いほうは、ものすごい高音で、
「ソソソソソファソファソファファソソソファソ‥」と、
不規則に2度の音程を微かに奏でる。

金属鈴とは違う、独特に冷えた音。

こんど大きい、白いほうのソソソファソを、
いっぱいいっぱい録音して、
パソコンで加工してみよう。
プロセッシングで4オクターブくらい下げたら、
普通の鈴でやる時とはまた違った面白い音が出るかもしれない。

こういう無駄な徒労的作業を延々とやっていると、
だいたい200回に1回くらいのペースで、
自分が前々から出したかった音に出逢えることがあるのだ。

積み重ね。根気。気力。体力。
でも一番難しいのは、
全部無駄になるかもしれない覚悟。

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